市街化調整区域に家を建てられる?農家分家の体験レポ

相続

市街化調整区域に家は建てられるのでしょうか?市街化調整区域には基本的に家を建てる事はできませんが、条件を満たせば、家を建てることはできます。私は相続で、山林を所有することになりましたが、その土地は市街化調整区域だった為、家を建てるには、市へ建設の申請の手続きをしなければなりませんでした。その条件もかなり項目があり、やっとの思いで申請許可が下り、家を建てるまでに至りました。この記事は農家分家により市街化調整区域に家を建てた私の体験レポになります。

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市街化調整区域に家を建てる条件は?

農家分家で、市街化調整区域に家を建てるには、誰でも簡単にできるわけではありません。お住まいの県や市の、土地計画課に基づく条件を満たさなければ、申請許可さえもしてもらえません。農家分家における、市街化調整区域に家が建てらる条件は下記の通りです。

・ 結婚して世帯を構成していること。
・ 扶養すべき同居者(直系血族3親等以内の者。)がいること。
・ 現在婚約しており、近い将来結婚を予定していること。
・ 年齢が24歳以上であること。
・ 申請地の面積は、90坪まで。
・自己(配偶者等を含む。)の居住の用に供する土地、建築物を所有していないこと。
・分家住宅を建設するための適切な資金計画がなされていること。

・市街化調整区域に関する都市計画の決定時から現在まで直系血族の者が所有している土地であること。
・直系血族が所有していた土地で、血族として相続及び贈与を受け、現在まで有している土地であること。
・申請地を所有する者は、市街化調整区域内の宅地又は市街化調整区域外に分家可能な土地を所有していないこと

お住まいの地域によって多少条件は異なり、上記以外の項目もありますが、このような条件を満たしていないと申請することができません。

条件に満たしていない場合は?

ここで、私は壁にぶち当たりました。なぜなら独身だったからです。まず、所帯をもつという条件でなければ、そもそも家を建てることができないのです。つまり独身の人はいくら相続としてもらった土地でも、家を建てられないという事になります。独身の人は婚約している相手がいて、いずれ結婚し所帯をもつ予定であれば可能ということになります。

直系血族であっても、そう簡単には家を建てることを許可してくれません。市街化調整区域とはそもそも家や建設物を建ててはいけない区域に指定されてしまっているため、このようないくつもの条件をクリアしないと、家が建てられないのです。

自分の土地なのになぜ、そんな条件を課せられるのか、いざ家を建てようとしても、壁にぶち当たり、農家分家はかなり申請許可が下りるまで大変です。しかし、私は行政書士さんになんとか条件をクリアできないかと相談しました。

行政書士さんの提案は、私の母が、隣の市で一人暮らしをしているのですが、高齢の為一緒に住むとう理由で申請してみようという提案でした。(因みに父と母は離婚しています)母は今はまだ、一人で生活できていますが、いずれ、身体も弱くなったら一緒に住むつもりでいましたので、私からも、母と一緒に住むという理由では申請できないかと言いました。それで通る可能性もあるので、申請してみようという結論となったのです。

もう一つの案としては、私には妹がいるのですが、妹は結婚しており子供もいます。妹夫婦も、いずれは生まれた故郷に帰り、家を建てたいと言ったので、その土地に私と母の住む家と、妹夫婦の家を建てられないかと相談しました。つまり、その相続で貰った土地に2軒家を建てられないかという相談です。

行政書士さんは、私の家の申請と、妹夫婦の家の許可の書類を作り、申請してみようという事になりました。許可を下すのは、市や、県なので、行政書士さんの判断では、必ず申請が通るとは言い切れないようです。行政書士さんは、申請に通るような理由の文面を考え申請の書類を作成してくれました。

結果は・・

私と母の家の方だけ許可が出ました。妹夫婦の方の家は許可が出ませんでした。その理由としては、その土地の所有権が私のものになっていたので、申請者本人でないと許可がでないという理由と、2件は建てられないという理由でした。つまり所有権のある人が申請しなければならなく、母と一緒に住むという条件だったら1軒だけ建ててもいいよ。という答えでした。

市へ申請する必要書類は?

まず、第一段階として市へ、農家分家の事前相談の必要書類として
「都市計画法許可申請等事前相談票」という下記の内容の資料を提出しなければなりません。

1、住民票
2、戸籍謄本
3、土地登記簿謄本
4、公図写
5、資産証明書(名寄せ台帳・資産が無い事の証明書)
6、本家の所有土地名寄せ台帳
7、自己の居住用建築物を建築する理由書

私は、1、2、3、5、6、は自分で取り寄せられるものは、自分で市役所で取り寄せました。4、7については行政書士と相談し、理由書を作成してもらいました。

行政書士の相談料と費用は?

書類を作成するにあたり、自分で申請できるという情報もありますが、私は相談から資料作成は行政書士に依頼しました。戸籍謄本や、住民票、登記簿など、自分で市役所で取り寄せられるものは自分で用意しましたが、理由書の作成はどうすればいいのかわかりませんでしたし、専門家に相談し、市に提出する資料を作成してもらいました。

都市計画法事前相談一式  67,800円でした。

私の場合、私と母の家と、妹夫婦の家2軒分の、書類を作成してもらったので、このような金額になりました。一軒分の書類作成だったら、もう少し安くなったかもしれません。

おわりに

農家分家で市街化調整区域に家を建てるのは、申請許可が出るまで本当に時間が掛かりました。行政書士さんに相談してから市からの許可がでるまで、3カ月くらいかかったと思います。といっても、事前相談がクリアしたというだけで、ここから本審査に入ります。事前審査が通れば本審査はほぼ通るようですが、本審査が通るまでも長いです。2~3カ月くらいかかりました。

私は、結局、妹夫婦と、いずれは母も暮らす、一軒屋の平屋を建てることにしました。ちょっと複雑な家族構成ですが、プライベートを保てるような、間取りにし、一軒屋の平屋を建てることになりました。

 

市街化調整区域でも、農家分家の条件をクリアすれば、家を建てられることはできます。ただ申請の許可が出るまでには、色々な申請や、行政書士さんとの相談、書類などの作成が必要となります。市へ申請し、許可がでるまで半年くらいはかかると思っていた方がいいと思います。

 

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